浜松市は、2021年6月からインキュベーションプログラム「HamamatsuIncubator2021」を実施しました。
起業を志す人やビジネスの成長を目指すスタートアップ起業家を公募して集まった29名から書類選考と面談を経て10名を選定。プログラム期間は8月から12月まで約5ヶ月間にわたり、スポットメンタリング・ハンズオンメンタリングなどを中心に、各採択者のフェーズに合わせた事業プランのブラッシュアップを通して10名の起業家の伴走支援を行いました。そして、2022年1月に浜松市内でデモデイを実施し、3名を優秀賞として選びました。今回は、その3名の起業家とともに本プログラムについて振り返ります。
IT企業にてヘルスケア系の新規事業の立ち上げ業務に従事するが、起業を志し退職。退職後に、H.I.S.の設立者である澤田秀雄が主宰する澤田経営道場の経営者育成プログラムに参加。2021年4月、同道場の卒業と同時に、株式会社ユーリアを設立。尿から栄養の過不足を検出し栄養状態のスクリーニングを行うとともに、過不足に合わせたサプリメントを提供し、栄養状態の改善までの一括提供を目指しています
水野:社会性がある点です。VCの方からは「これがもし広がれば、現状どこにニーズがあるのかを発掘していく必要はありますが、さまざまな掛け算ができるので一緒に伴走をしていけば何か良いことになりそうだよね」と言っていただけました。松山さんの言っていたことが正解だったのです。今回のプログラムはずっと同じ人が伴走をしてくれることが特徴ですが、踏み込んだご指摘いただける関係性になれたことは、僕にとって本当に大きかったと思っています。小田:今回ここにいらっしゃる3名の中で水野さんと山田さんは、実はとてもマーケットインで入ってサービスをつくってきたはずでした。でも、事業を進めるうちに視点がプロダクトアウトになってしまい、プログラムのはじめのうちは「自分たちがつくっているものをどうしようか」とプロダクトにフォーカスをして考えられている傾向がありました。水野さんは視野が狭くなってしまいがちなところを、外部の人と話すことで、グッと視野を広げるような機会を得ることで、好転した事例だと思います。
新卒で外資系コンサルティング会社ZSアソシエイツに勤務する傍ら、Afri-Inc(現SENRI株式会社)の創業メンバーとしてウガンダ・ケニアで活動。フランスMBA留学を経てケニアで起業。HEC Paris MBA。東京大学法学部・同公共政策大学院卒。株式会社Connect Afyaを創業した現在は、アフリカやケニアにてPCR検査を中心とする臨床検査ラボ、医療機器卸、クリニックを三位一体で展開。ケニア現地での事業で培った医療機関、医療関係者とのネットワークを利用してグローバル企業との様々なプロジェクトを実施している。
嶋田:プログラムを受ける前は、どうしてもオペレーションをどのように回すかという現場目線になってしまいがちでしたが、受けた後では視座が格段に上がりました。
私は名倉さん(CIC Japan合同会社 ゼネラル・マネジャー 名倉 勝氏)に担当していただきましたが、「今後どのように事業の広がりをつくっていくか。メンター目線ではどのように見えているのか。ピッチの時の見せ方はどうすべきか」などのフィードバックを適宜いただき、考えを深めることができました。
現在、他企業との協業の話がありますが、名倉さんに協業先の企業担当者の方とミーティングにも同席していただいたこともあります。献身的にサポートをしていただきまして、本当に足を向けて寝られないくらいお世話になりました。
この期間中に、トラクションが大きく伸びて、売上の規模感で言うと、倍以上になりました。こうした状況をつくり出したのは、メンタリングを受けて視座が高まったことも関係していると感じています。また、インキュベイトキャンプ(※)にて3位を受賞することができました。小田:嶋田さんは、マーケットが日本ではなくて、そもそもアフリカという特徴がありました。そういう意味では国内に向き合っているメンターの方では、なかなか対応が難しいものでした。弊社との繋がりが深くて、尚且つ、海外事情に詳しい名倉さんと嶋田さんは近しい経験を歩んでこられているので、良いマッチングができたのではないかと思います。嶋田さんには、今後、海外で頑張る日本人の方の1つのモデルケースになっていっていただけるのではないかと、非常に期待感を大きく持っています。
病院勤務を経て山田接骨院を浜松市で開業。デイサービス・トレーニングジムを経て、歩行に悩む方の夢の歩行を実現するためにe-footを開発し、2020年に株式会社YAMADAを設立。世界初のゴムの力で歩行支援する歩行補助具『e-foot』の開発・販売により、歩行リハビリへの貢献やトレーニング時の利用によるフォーム改善と怪我予防を図っています。
山田:私は全てにおいて、簡単に言うと素人でした。スプレッドシートの使い方なども含めて、本当にイチから教えていただきました。またプレスリリースについて、フォースタートアップスのPR担当の方も一緒になって、手伝っていただいたこともありました。ビジネスにおける基礎的な部分も支援いただいたと思っています。本当に感謝しています。小田:山田さんにおいては、インフラづくりに近しいところがマーケット拡大の第一歩になるはずなので、個人の頑張りだけではどうしても限界があります。社外の協力者や、オープンイノベーションのような外部企業との連携なども、これから非常に重要になってくるはずです。そのようなコラボレーションはもちろん、人を採用するとか、外部の協力者を探すということに関しても、フォースタートアップスでは人材のご支援もしている会社なので、協力が出来ることもあると思います。いつでも相談をしてほしいです。